こんなデイサービスが、全国にあたり前のようにたくさん出来たら、介護で働く人にとっては、働く事も楽しいだろうし、また高齢者にとっては、楽しい老後をおくれるだろうなーと思います。
このデイサービスがなぜ人気があるのかを話してみたいと思います。
介護はまず人ありき、それが人気のあるデイサービスを生み出した。
紹介するデイサービスは、愛知県一宮市にある「たんぽぽ温泉デイサービス」です。
ここの代表の筒井健一郎氏は、「お客様だけが楽しんで、従業員はつらい思いをしていたら、お客様はいつか従業員の対応、振る舞いを見て、もうそんなところに来たくなくなる。」と言われています。
そんな筒井さんが、介護の世界に入ったのは、2000年で、まずは、12名の小規模デイサービスからスタートしました。
筒井さんは、介護業界では素人でしたので、まずは経験豊かなベテランのスタッフを雇用しますが、なんとこれが裏目にでます。介護の腕は確かで手際よく仕事をこなすのですが、なにしろ仕事でも利用者に対しても、笑顔をみせない!利用者を大事なお客様であるという認識がなく扱いを適当にしていると感じました。
さらには、利用者獲得の際の受け入れにも、この人は面倒そうだから嫌だ。とか選り好みをしていたとのことです。
こういう環境では次第に客離れが進んでいったとのことです。
こういったことを経験してきて、筒井さんが、心に思ったことは、
「プロと言われている人の仕事のやり方や進め方が納得いかなかった。技術面、スキル面は劣っていてもいい。まずは、利用者様、お客様に対して、親切丁寧に接していこうと思った。と考えを述べてます。」
こうした理念、信条があるからこそ、現在のたんぽぽ温泉デイサービスが、スタッフも利用者様がお互いが笑顔で楽しく過ごせている秘訣でしょう。
介護の仕事をしていく上で、理念は大事である。
つくづく会社におけるこの理念というのは大事であると思います。利用者様を自分の家族のように接するなどと理念を掲げてはいても、社長や役職がある人が、利益追求型で、お金儲けしか考えてなかったとしたら、やはりその空気感というのは、どうしても職員やスタッフにも伝染しますので、注意は必要であります。
いくら理念で立派なことを言っていても、スタッフはよくみています。「あんた、言ってることは立派だけど、やってること真逆じゃない!」って思ってます。
筒井さんのように言ってることと、やってることがズレがなく、筋が通っていれば、自然といい組織が出来上がっていくのでしょう。そして、それが人気のあるデイサービスを作り出しているので。なので、理念、信条は嘘をつけないということです。
施設内通貨(シード)という発想が、利用者のモチベーションを上げる!
ここでは、その筒井さんが運営しているデイサービスで行われているプログラム
は実に飽きさせない工夫が満載なのですが、その一例を紹介していきます。
昨今のデイサービスでは、理学療法士や作業療法士を配置しての機能訓練やリハビリをするところは増えてきました。ただ、施設内通貨と言われるローカル市場を作って、利用者のモチベーションを上げるような仕組みを作っているデイサービスは、マスコミで若干とりあげられはじめましたが、まだまだ少ないのが現状です。
もうリアルの市場では、まったく働くことが無くなった高齢者にとって、この報酬を得るという仕組みすごくモチベーションアップに繋がっていると思います。
利用者には、はじめに、5000シードと言われるローカルの通貨がもらえる仕組みになっています。そして、リハビリなどをすることによって、この施設内通貨であるシードを稼いでいくということです。例えば、1周100メートルの歩行訓練を行うと100シード稼げたりします。
この貯めたシードを使って、施設内の喫茶コーナーやゲーム、また、外出なども出来ます。また、50000シード支払えば墓参り、120,000シード支払えば、ドンキホーテ、もりや、しまむらなどのお店に連れて行ってもらえます。
さらには、「お手伝いポイントカード」というものもあって、タオルたたみやおやつ作りなどを手伝うことによって、スタンプを押してもらえます。これが、1冊終わると5000シード分になるのです。
なんか小学生のラジオ体操みたいなうれしさもあるし、クレジットカードなんかでも、ポイントを貯めてなんか商品を交換できるとうれしいですもんね。このあたりも非常に、利用者様を飽きさせないうまい仕掛けが施されているなーと感じます。